始まりは、一つの通信からだった
突如カルデアに届いたSOS。それは、一人単独で別世界へレイシフトした
狂兵・幼性からのものだった。
それと同時にカルデアスとシバが新たな特異点を補足、そこは東京の南方330キロ付近の海上。
その地点に心当たりがあった槍兵・雪霞と共にユーゴ達はレイシフトを開始する―――



――――特異点I 混沌魔族領域 絃神島――――



ビルが立ち並ぶ都市、太陽が昇り多くの人が歩いているであろう時間帯。
しかし、そこは人の姿どころか生物の姿はなく、一つのゴーストタウンとなっていた。
そんな静かな道路を白いバイクに乗った少年が走り抜ける。

「おい、この道で合ってるのか!?」

声を荒あげ自身の宝具であるト馬やその中で待機している仲間たちに問いかけるユーゴ
特異点Iと裁定された絃神島へレイシフトを果たした彼らは今、幼性の反応が確認された
とある地点へ移動していた。

『はい!この道をまっすぐ行けば、目的地へたどり着きます!』

ユーゴの質問に答えるのはランサーのクラスとして召喚され、今回の特異点の道案内をすることとなった
槍兵・雪霞こと「姫柊雪菜」。
彼女は人がいなくなった街並みを見てショックを受けていたが今では何とか回復し、目的地へナビゲートを行っていた。

「…なぁ、本当に大丈夫か?」
『…大丈夫です。気になることはありますが、今は目的を果たしましょう』

ユーゴの心配に大丈夫と返しながらも、彼女の胸中は穏やかではなかった。
人がいない街、この島で一体何が起こっているのか、知り合いは、友人は、そして…先輩は、無事なのか。
それを考えると不安が膨らみ、すぐにでも探しに行きたい衝動に駆られる。
しかし、今は幼性を救助し、事情を聴くことが優先だと区切りをつけることでその衝動を抑えていた。

『おぉっとお二方!目的地が見えてきましたよ!けど、門の前にサーヴァント反応が!』

彼のバイクでありライダークラスであるト馬、「トロイの木馬」からの報告を聞き正面を見ると
目的地である「彩海学園」があり、その正門の前に二つの影を確認舌と同時に急ブレーキをかけ、彼らと相対する。
一人は紅いマントをはためかせ、黄金の鎧と蝙蝠をイメージされた仮面を被った魔剣の剣士
もう一人は血のように真っ赤なロングコートを羽織り、サングラスをかけた男だ。


「ほぉ?これはこれは、鼠の捕縛というつまらないものをすることになって辟易としていたが…意外と楽しめることになりそうだ」
「………」

ロングコートの男から発せられる言葉からどこか楽しげであり、同時に強烈な悪寒を感じ取る。
仮面の剣士は無言ではあるが、戦意が高まっていくのを感じ取れる

「お前ら、いったい…!?」
「その質問に答える義理はない。ただ、貴様と我々の関係は敵だということだけだ。さぁ、戦争の時間だ…!」

ロングコートの男から発せられた殺気を感じ取り、サーヴァントを召喚するべくカードを構えるユーゴ。
その姿を見た仮面の剣士は魔剣を構え、ユーゴに突撃を開始した………




ユーゴ達が戦闘を開始したと同時刻、監獄を彷彿とさせる空間に黒のフリルドレスを着た少女が立っていた

「…ふん、ようやく来たか、カルデア。そして、姫柊雪菜」

幼い外見からは想像がつかない大人びた口調で喋る少女。彼女は学園で起きている戦闘の魔力を感知し
自身の待ち人たちが来たことを感じ取っていた

「それにしても、もう少し早く来ることができなかったのか奴らは?……いや、これでも早い方か。とにもかくにも
奴らにやられる前に回収をしなくてはならん。…特に、姫柊雪菜は奴の復活に必要なのだからな」

少女が空間のとある一角に目を移す。そこには魔法陣が描かれており、その上にはパーカーを羽織った少年が
死人のように青い顔で寝かされていた――――
                                               to be continued…?

このページへのコメント

ふむふむ、幼性さんはどうなってしまったのか。
一体絃神島で何が起こっているのか。
楽しみですね。続きまってます!

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Posted by 騎兵・悪縛 2016年09月05日(月) 01:34:50 返信

これはいいコラボ特異点。
続きの展開が楽しみです!

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Posted by 暗兵・盛衰 2016年09月05日(月) 00:26:19 返信

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