座の食堂。そこでは酒盛りが始まっていた。
ここ、座ではよく見られる光景、酒好きの英雄や、お祭り騒ぎが好きな英雄が多いのもあって割と頻繁に酒宴が催される。
服を脱ぎ踊っている変態や泣き出すズドン巫女、自分に酔ってる喪女など有体に言って混沌である。

「た、ただいま。余が帰ってきたぞって酒くさっ!」
まさかかえって早々酒宴が催されているとは…。
出かける前、割と思い切ったことを言った手前この落差に困惑する。

「やあ現世君、いい告白日和だね。」
「おうおかえり、……きちんと向き合えよ。」
「あ、お酒いります?」

口々に声をかけられる。
酒を受け取ったり、激励されたり、馬鹿を蹴飛ばしたりしながら宴の中心へ向かって歩く。
そこに、余の求める人がいる。

「あ、おかえりなさい、現世君。」
彼女は微笑みながらこちらへ手を振ってくれる。
「少し落ち着いたら、出かける前の話、答えさせてもらってもいいかな?」
「う、うむ!」
緊張する。長い時を生き、こうして英霊となったが、まさかこのような事態になるとは。


交渉「これがwktkというやつだね」
森番「あの、少し静かにしてた方が」
普化「普化ちゃん踊りまーす!」(くねくね)
雷砲「皆さん静かにしましょうよ!…、よく聞こえないでしょう!!」
悪縛「お前も静かにしてろ…!」


……、緊張が消えた気がする。というかあの馬鹿はあと殴ろう。
「?現世君、いいかな。」
「い、いいぞ、うん!」
照れる、なんだこれ照れるぞ!!

「私も最初は現世君のことをしっかりものの、甘えん坊だと思ってました。」
「ですが、私もあなたと同じように、思いは少しずつ変わっていきました。」
「あなたを幸せにしたい、あなたと歩みたい、あなたのそばにいたい、と。」

彼女の言葉に周囲から「おお…!」と小さな歓声が上がる。
やめろ…!その反応はやめろ…!なんかすごい恥ずかしい…!
てか彼女顔まっかだ可愛いな!!!

「ゴホン、余も同じ気持ちだな。」
「写真殿と一緒にいて、一緒に歩み、一緒に幸せなりたいと思っている。」
余の言葉に彼女は。
「だからこそ私は考え、その答えを出させていただきます。」
「現世君、あなたのことが好きです。愛してるといってもいいです。」


交渉「まだだ、まだ耐えろ私…!」
巨腕「言った!言いやがった!」
卜馬「ヤメロォー!ヤメロォー!まだバックアップ取ってないデータががががが」
約全員「お前うるせぇよ!!」


「私はあなたに喜んでほしい、あなたと歩みたい、あなたのそばにいたい。」
「そう考えた私の答えです。どうか、答えを聞かせていただけないでしょうか?」

ーーーーー余は考える。
彼女との出会いは、余があの馬鹿にテロをくらって落ち込んでいるときだった。
最初は母の様に感じていた。その優しさにつつまれると、何も言えなかった。
彼女と接するうちに、彼女の闇に触れた。それはどこまでも深く冷たい。
だけど…!

「余は『豊かな輝き』。そして写真殿は『苦悩する闇』だ。」
「余は、写真殿という闇に誰よりも近くにいたい。」
「そして願わくばその魂が朽ち果て堕ちるその時まで共にあり、見守り続けたい。」
「写真殿はこの神の様に傲慢なこの願いを受けてくれるか?」

そうだこれは余の傲慢な願い。
自分勝手で我儘な願いだ。


災獣「神!()」
森番「座ってなさい」
滅炎「ただいまー。ってなにこの甘い空気」
雪霞「ハッ、一瞬意識が。え?なにごとですかこれ。」
蛇「みんな静かに、ね?」
約全員「は、はい!!」


「…!ええ、ええ、この魂が朽ち果て堕ちるときでも、あなたのそばにいましょう。」
「あなたを見守りましょう、あなたとともにありましょう。」
「そして、あなたのことを愛しましょう。」
やっべ笑顔超かわいい、ってあれOKでた?


妖姫「い、いいました…!」
姦神「あらあらうふふ!」
交渉「現世君テンパってるなあれ。」
果鳥「これが、人間の番の儀式」


周りが少しざわついてきたが余は気にしない!今の余はハイパー余だからな…!

「ならば余の、いや、イェ=メンの光で写真殿の闇をやさしく包み込み」
「この魂が続く限り、あなたを愛することを誓おう」


妖姫「まだです…!キスまで我慢ですよガッくん!」
不死「早くキスしろよ」
交渉「ワクワクが止まらないね!」
雪霞「あの、みなさん?もう少し欲を隠しましょう?」


「ならば私は、名前は捨ててしまったから、名もなき戦場記者としてあなたを愛し、」
「この魂が枯れ果て堕ちるときまで、あなたのそばにいると誓います。」


狂犬「ーーーーーーーーーー」
盛衰「(……)」


「ならば、ここに誓いを形にしよう。」
「余の光であなたを照らせるように、あなたの闇で夜を眠りつかせるような愛の誓いを…!」
よ、よーし予行練習はたくさんしたぞ!いけるいける…!

「それはいったい何でしょうか?って聞くのも野暮ですね。」
「…、目を閉じておきますので、その、よろしくお願いしますね?」


交渉「ごくり」
裸王「ごくり」
雪霞「ドキドキ」
妖姫「どきどきです」
雷砲「キャー!キャー!キャー!」
約全員「うるせぇよ!!!」


「ああ、余は、あなたを愛している。」
「私も、あなたを愛しています。」


約全員「えんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
卜馬「ちょ!そんなに一気に負担かけるとサーバーがぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁあ!!!!」
約全員「あっ」


「あ、あはは。なんでしょうか、涙が止まりません。」
正直言うと余も泣きそう。
だけど、彼女に情けないところは見せられない。
「実は、もう一つあなたに言いたいことがあるんだ。」
「奇遇ですね、私も一言。」
「では同時に言おうか。」

せーの!

「「-----------------------」」

fin

このページへのコメント

キュイ!あのときの流れがわかりやすく、でも番になった二人の幸せが伝わってくるよ!おつ!

0
Posted by 暗兵・果鳥♂(秩序・中庸) 2016年08月15日(月) 21:27:28 返信

書いていただきありがとうございます!
……改めて見ると恥ずかしすぎますね、これ

0
Posted by 復讐・写真 2016年08月15日(月) 15:37:09 返信

皆のバカ騒ぎがよく伝わって面白かったです!
現世さんかっこいい!

0
Posted by 調停・裸王 2016年08月15日(月) 13:19:25 返信

あああああああ!!!!恥ずかしい!(真っ赤
でも、ありがとう!よかったよ!

0
Posted by 暗兵・現世♂(秩序・中庸) ◆wq3hQoo71bRz 2016年08月15日(月) 13:18:04 返信

告白やそれを見守る鯖達の動きが分かりやすく、見やすいssでした。現世君が可愛い

0
Posted by 魔兵・不死♀(中立・中庸) 2016年08月15日(月) 13:17:26 返信

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