8/19現在の東京喰種:reのネタバレが含まれております、注意してください

―――ソイツに出会った時思ったのは、自分の死と、儚げな美しさと、どこかで見た懐かしさだった

ここはカルデアの喫煙スペース、第一特異点の修復が終わり現在はこの場所で新たな特異点の観測を待つだけだった
ハートランドではこちらも数々の犠牲を出しながら勝利し、世界の崩壊を止めることができたのはまさに幸いだろう
・・・たとえ消滅しても暫くすれば座に帰ってくるのだが、そこら辺は喜ぶべきか微妙なところなのか、いや喜ぼう

「座に喫煙スペースがない分ここは本当にありがてえなー、食堂があるのはおかしいのに」

と空調が効いた分煙スペースにて何本目か数えるのも億劫になった薬という名のタバコをを摂取する
アチラで調子に乗って吸えば仲間の一人の和服美人にコワイ笑顔で水をかけられた思い出がある
あの顔はあまり思い出したくない、瞼の裏に隠された瞳がどんなのかも察せるほど恐ろしかった
まあ、そんな心配もすることなくアッシは久々に思いっきり充実した時間を過ごしていた

―――それに気づいたのは近くにいたのがアッシだけだったからだろう

強い力の存在、ナニカがここに呼ばれたと感じた瞬間にアッシはすぐに警戒態勢に入った
Dディスクを左腕に装着しカードをセット、赫子を何時でも出せるよう備え分煙スペースを飛び出す
ここまで警戒するのは自分の中の血―いや魂と呼ぶべきものがそれに警鐘を鳴らしていたからだ

いったい何がここに?まさかまたトランペッターがここまで!?

最初の特異点で明かされた黒幕の存在、マスター達の同僚として紛れ込んでいたサーヴァントを思い出す
あんなのがポンポン入ってくるとかここの警備体制どうなってんだ!と憤りながらその場所まで走り出した
曲がり角の先にいる存在の気配を感じ即対処できるよう構えながら、アッシはその警鐘の正体を知った

――そこに立っていたのは一人の男だった、まるで死が形を成したような、美しささえ感じるナニカだった

身長は180程だろうか、白いコートと長身に雪のような白髪、メガネをかけた機械的な表情からは何も伺えない
相対した瞬間に一瞬死を覚悟するほどの威圧感を感じる、そしてすぐに目の前の人の形したモノの正体に気付く

有馬、貴将だと・・・!?

一度酷い事故によって気絶した時に見た夢が、鮮麗に脳裏にフラッシュバックした、それは己の内の喰種の脅威
『CCGの死神』『不敗の捜査官』『白い死神』、とある世界においては正に『英雄』で「化物」と呼ぶに相応しい存在だ
確か夢の最後では自分の手でその命を終わらせ、弟子に何かを託して死んでいた筈・・・そんなことは今はいい
ソイツが何故ここに?まさかサーヴァントか?地力でコクリアからレイシフトを!?そのうち混乱するアッシを見つけ言う

「喰種のようだが・・・ここは何処だ、答えろ」

有無も言わせない迫力でアッシに問う、次の言葉次第でこの男はこのカルデアを戦場にできるのだ
最悪の事態は避けるべく両手を上げ膝を突き無抵抗の意を示す、効果は期待できないがマシな方だ

「・・・ここはカルデア、アンタがいた世界とは違う、現在世界滅亡の危機真っ最中の場所だ」
「真面目に答えろ」
「嘘みたいだがマジの話だよ・・・”隻眼の王様”?」
「ッ!?」

アッシの言葉に表情を一瞬で変え即座に取り出した黒い手槍を額に突きつける、額に切っ先からの血が流れる
ヤバイヤバイヤバイ!!!!!こんなメタ知識初っ端からぶっちゃけんじゃなかったあああああああ!!!!と即内心後悔する

「・・・お前は何を知っている」
「夢で見たこ・・・嘘じゃねえから突き刺してくのやめろ、何も話せん」

無表情ながら不服そうな雰囲気を出し槍を消した、そしてその現象に驚愕したのかすぐに右手を見つめる
さっきまで自分がどうやって武器すら出したのかも気付かなかったのにあの反応か、まったく恐ろしいな
まあ取りあえず今は立ち上がり内心を抑えるべくタバコに火を点け、「道化」の仮面を被り「死神」に応える

「まあ色々分からないだろうがまずはコンゴトモヨロシク・・・カルデアへようこそご同輩、仲間を紹介するぜ?」

・・・膝を笑わせて言った所で締まらないが

end

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