前作:我々は騎空士のようですの成分、および独自解釈があるので注意してください

「ヌオオオオオオオオ!!」

叫び声をあげ対峙する相手が大きく吹き飛ばされる、それと同時に電子音が流れ立体映像が消え闘いの終わりを告げる

「これでアッシの九戦九勝か…一旦休憩するか」
「ま、まだだ…もう一戦・・・!」
「いや九回も同じポーズでフッ飛ばされてるからボロボロじゃねえか、というかある意味そっちがすげえ」
「ぐぬぬぬ・・・」

不服そうな相手をよそにタバコに火を点け吸う、闘争心が昂ぶり過ぎると飢えのペースも早くなるので連戦はしんどい
アッシは前から約束していた調停・白盾との訓練兼遊びのデュエルの最中、戦果は上のとおりの全戦全勝である
別に白盾自体が弱い訳ではない、ただここぞという時にドローで一発逆転したり相手が逆転の手を引けないのが主なのだ

「うう・・・ナッシュ・・・非力な私を許してくれ・・・」

その白盾も普段の銀の亜人めいた姿ではない、モノトーン主体の服装を着た人間の姿をしている
知性を感じる容姿にメガネ、左腕には以前渡した白いDディスクと銀の髪型が変身前の面影を残している
・・・それを台無しにするかの如く項垂れ、誰かの名前を呟き続けてる姿は残念極まりないのだが

「おいそろそろ元に戻れ白た「ドルベだ」・・・ん?」
「我が真名だ、私に勝った新たな友の君になら呼ばれるのも構わん」
「お、おお・・・いきなりだなオイ」
「代わりと言うのもなんだが君の真名も教えてほしい、我が仲間ギラグの気性に似た友よ」

ギラグというのは誰か知らんが友と言われて悪い気はしない、しかし名前か

「いちおーNovus・Neo・NewでN3淫魔王だけど・・・」
「同じ意味の言葉が続いてる上にそういう破廉恥極まる称号は名前ではない」
「・・・じゃあ盗賊娼婦」
「だからエッチなのは白き盾いけないと思うんだ!真面目に答えたまえ!」

コイツに真面目にと言われるとイラっと来るが答えるのに途惑う・・・正直に言えばアッシに名前の概念はない
本当はあったのかもしれない、ただ人間だったころの記憶は磨耗しなんてよばれたかも思い出せない
”帝国”にいた時はほぼ国民は称号で呼び合っていた、今思えばアレは何かの呪いだったのかもと思う
そんな事が何年も続き、死んだ後も幾時間の繰り返しで、もう思い出せるのはこの称号だけなのだ
じゃあアッシの名前は、なまえは、ナマエハ、NAMAEHA・・・「眼がくすんでるぞ、友よ」!?

「君の過去に何があったかは知らないし、まだ私が深く踏み込む領域ではないのは確かだ」
「だが、なんであろうと己を見失うな、同じような経験を持つ私からはそれしか言えん」

・・・その言葉に何も返せず眼を背け、新しいタバコを吸い無理やりにでも冷静になろうとする

「・・・”かっとビング”だ、友よ」
「かっ、何?」
「勇気を持って一歩踏み出し、逆境でも決して諦めず、あらゆる困難に挑戦するという意味だ」
「・・・」
「かつて私がいた世界、そして仲間達と我が友の心を救った者が志していた言葉だ」

幼稚な響きの言葉だが、ただ、少し気が楽になった気がしないでもない

「フム、眼に光は戻ったか・・・ならデュエルの続きと行こうか!」
「またいきなりだなオイ!?」
「まだ迷いがあるならデュエルで晴らせばいい、なにより精神が弱ってるチャンスを逃す白き盾ではない!!」
「姑息な手段過ぎるわ!!」
「何とでも言え、私とて七皇の名にかけて負けっぱなしは性に合わん、それに・・・」
「あ?」
「これが私なりの”かっとビング”と言うものだ」

・・・手段はどうあれコイツはまた、ドルベの不敵な笑みにこっちも笑顔で応え灰皿にタバコを捨てディスクを構える

「まったく・・・アッシ好みの答えだよ、んじゃ十連勝といくか!」
「それはどうかな?七皇の力をなめないでもらおう!」



                 「「決闘(デュエル)!!!!」」



結果は十度目のノルマ達成は無かったと記しておこう

end

このページへのコメント

白き盾がカッコいいこと言ってる!嬉しい…!(ナッシュ連呼から目を逸らしながら)
かっとビングの心を忘れてはいけないよ(トロン並感)
面白かったです!

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Posted by 調停・白盾♂(混沌・善) ◆VaVV/YM1Zo 2016年08月16日(火) 12:32:31 返信

かっとびんぐ…いい言葉です。私も見習いたい、そう思えました。
あと遊戯には興味があるので後で教えて下さい

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Posted by 弓兵・流姫 2016年08月16日(火) 02:18:54 返信

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