前作:我々は騎空士のようですの成分があるので注意してください。

何時からだっけなぁー…こんなモノ吸い始めたのは

瓦礫が散乱し建物の焼けた臭いに混じり、所々血と肉の焼ける芳しさが強い中で アッシは思う
適当にそこらのベンチに座り慌ただしく動く仲間を眺め足元には既にタバコの箱が幾つも散乱してる。
ポイ捨てはいけませんーーなんてマナーもこの惨状ならバレもしねえか、なんて頭 の隅っこに置きながら

なんでこんなトコいるんだろーなアッシ?

灰の空を虚ろに街から漂う黒煙と吐き出す紫煙を見つめ想う、コレを最初に吸ったのはこの体になってからだ
自業自得でなったような喰種、少し違うが赫者というものには強い力と飢えーーヒトを餌として求める傾向がある
それを抑える薬として前の仲間、今は多少ーーというかかなり外見は変わった仲間 に生前作らせたものだ
別に経口薬でも良かったがあの頃は「かっこよさ優先!!」というアホな理由でこの 形になったんだっけ

今さら思い返せば突発的に動いて失敗ばかりの前世、と言えばいいのかわからないがそんな生涯だった
死んでから元女の神サマの奴隷として時間の感覚もない繰返し…そんな時にここに呼ばれて今はこんな枯れた状態だ
しかし今の仲間も前と同じかそれ以上に退屈しない、それこそがまあ救いなのか ね?普通に嬉しいとは思う

どーなんのかねーこれから

他人事のような思考で自然に次の一本に火を点ける…うん、味はまあまあなのにやめらんねーわ
抑制のために吸うなら一箱の量で充分だがどー考えてもやっぱ異常な使用量だとは思う…けど吸っちゃう
ストレス解消になってんのかもう習慣かな…一日一万回の感謝の喫煙ーーーいやバ カかアッシは意味ねえだろもう

…あれか?エーレーってのはああゆうのが好きなのか?

なんて声が聞こえて視線だけ動かすと頭抱えたタキシード?を着た無気力そうな姿が写る、復讐者の一人だ
ちょっとした会話をして画材をやると口約束した覚えはある、それ以外はそんなに知らない
また視線を移せば何故かエロ本の即売会となった惨状、まあコレならそんな事思うわな

英霊であれ欲なんてあるさ、嗜好は知らんが

そう言ってまたタバコを短くする、…吸う?なんて誘ったのはまあコミュニケーショ ンの切欠作りだ
一度も吸った事も無いらしく適当なアドバイスをしてーーーあ、やっぱり勢いよくむせやがった
まだむせながら無理だったとそいつは謝る、そういや酒飲んでも潰れてたなーと思いだし笑いこっちも謝る

いや、俺が吸うって言ったんだ、こんなこともあるか…

そうだなと喧騒を眺め言い返す、あんなの見てると世界崩壊なんてバカらしく思ってしまう
結局こんなバカ騒ぎとアッシは切っても切れぬ腐れ縁、だったら流れのままでいいかなーんて

そう思いまた笑いを押さえきれなくなる、耐えきれなくなって空を仰いで

あ"ー周り以外平和だわ"ー

そんな矛盾したこと噛み殺したように言いながら、43カートンに突入したタバコに 火を点ける

end

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