最終更新:ID:1xgvCiQXTg 2016年08月19日(金) 10:03:12履歴
座の空にて轟音が響く、その轟音の正体は戦闘機だ。戦闘機が轟音を響かせ空を悠々と飛んでいる
そしてその轟音の戦闘機を追うのは生身の人間、だが唯の人間ではない英霊だ、男は英霊だ
そして戦闘機に乗っている男もまた英霊なのだ、どうしてこうなったのかは数時間前にさかのぼる――
――中華は目の前の話し合いを見ていた、話し合いの内容は特訓をしようというものである
その話を聞き自分も参加したいと思ったが、しかしその中には入りづらい雰囲気であった
今回特訓と言い出した狂犬その狂犬と親しい盛衰、合流してきた妖姫
妖姫とは少しばかりごたごたし狂犬と盛衰の中に入るのも気まずい
そんな風に考えて、嘆息を吐きこの場から去ろうとすると
「なんだ、お前さんもやりたいのか特訓?」
鬼神が話しかけてきた。特訓の話は鬼神にも聞こえていたようだった
中華は鬼神を見上げて
「うむ、だがあの中に割って入るのもな」
「狂犬やあの二人なら入れてくれるだろう」
「確かに入れるやもしれんが、入ったら入ったでやりづらくなる」
難儀なものだと思いタバコを吸う、盛衰は狂犬に好意を持ち妖姫は彼女の性格上うまくやれるだろう
狂犬もまた然り、その豪気さは気まずさなど感じずにやれるだろう
だが中華にはそれが出来なかった、と言うよりあの仲良し三人の中には誰だって入り辛いだろう。
数分過ぎてタバコを吸い終わり携帯式灰皿にタバコを入れて中華に向き直ると鬼神は言った
「では、俺とでもやるか?」
その鬼神の言葉を受け中華は鬼神を見た
偶然だが見たことがある、彼が乗っているおそらく宝具であろう鉄のカラクリ
あの大きなカラクリは大層早かった、空においては自分以上の早さだと思わせるほどに
そしてその本人が特訓を申し出てきた、ならば賭ってどちらが早いか決めるのも悪くはない。
「――なら頼むぞ空を自由に飛ぶ相手にどこまでできるか試したい」
獰猛な獣のような笑みを鬼神に向ける。
やれやれと言うように鬼神は頭を振って
「――良かろう、では始めるぞ、行くぞ相棒!『鬼神の鷲(F-15 イーグル)』!」
そして地上にて鬼神の姿は消え、それと同時に轟音と共に鬼神が騎乗した戦闘機が現れた
それはまさしく空の王者は自分だと示す様に舞った
空で舞う戦闘機を見て中華は実に楽しそうに笑みを深め
「はっはぁ!空を自由に飛ぶ絡繰りと速度比べとは心が躍るな、俺に追い付ける者無し千里疾走・赤兎之如く!!」
彼は宝具を発動して、ジャンプし空を蹴ることにより、思いっきり空に飛び出した
その様を見て、滅茶苦茶だなと思う、ただ蹴るだけで空を移動できると言うとんでもだ
ああ、だが――
≪――それでも空では負けたくはないな、だから行こうぜ相棒≫
戦闘機に語りかける、生前世話になったもう一人の相棒
自分に欠かせぬもう一人の相棒に
≪――現代の力魅せてやるぞ!≫
ブーストペダルを一気に踏む、それと同時に戦闘機が加速する
それを見据える中華はさらに蹴る力を強めていく
ああ、早いと空では勝てぬとそう思えるほどアレは早かった
地上ならばまず勝てるだろう、だがそれは鬼神にとってはハンデだ
では空では、鬼神の方が上だろう、目の前の光景を見れば明らかだ、だが
「――たとえ得手ではなくとも勝ちに行くのが俺という存在よ!!」
さらに強く強く空を蹴っていく、足が痛む――だからどうした、骨が軋む――だからどうした
足が腰が骨が悲鳴を上げる――だからどうした!、あの時あの場所での悲しみ比べれば
この程度の痛みなど、痛みになど入らぬ!
「行くぞ鬼神!ここで貴様を超えていく!!」
足を強く踏み込み、一気に加速する
その加速は一瞬ではあるが、鬼神の戦闘機を追い越した
≪――まったく、とんでもないなだが!≫
鬼神もまたペダルをさらに限界にまで踏み込む、そして一気に加速する
だがこれでは足りない、まだ足りない、だから
――風に乗った
加速して、それでも無理をせず逆らわず、風を感じて――それに乗る
ただそれだけ、唯それだけだが加速し――中華を追い抜いた
「ぬぅ!」
≪悪いな、空に関してはアンタより上なんだ≫
「応!、確かに、だがこれで諦めたわけではない!」
そう言って再び強く蹴り込もうとし――魔力が切れたのを感じた
使いすぎか!、と、空においては常に宝具を使わざる得ないゆえにこうなるのは必然
「ええい、空を自由に駆け回れる奴と、跳んでいる俺では不利か!」
そう呻き、だが諦めず先に行こうとして
鬼神がさらに加速して、自分が追いつけぬほどの場所に行った
≪――どうやらこの勝負俺の勝ちの様だな≫
鬼神の戦闘機が余裕を持って旋回する
まるで自らの勝利を勝ち誇るように
ああ、口押しや、あの時自らの不利を気付けずに負けた自分の不手際に
だが、だが
≪元々俺の本領は空さ、そんな奴が空で負けたら形無しだろ?≫
――だ が !
「確かに空が戦場の鬼神殿相手には速度では負けるか…しかし、正面からならば速度差は関係ない、貫く!!」
これは意地だ、負け犬の意地、負けたくないというくだらない意地
彼ならば、この程度意地を往なす事など容易いだろう、だが彼は真正面から向かってきた
≪――向かってくるか、面白いならば受けてたとう!≫
感謝いたすと心から思い、最後の力を振り絞り空を蹴る
狙いは真正面、おそらく彼が騎乗をしているだろう所を貫く
そして鬼神は冷静に相手に狙いを定める
空で人を撃ったことはない、それは当然だ彼が生きていた時代に生身で飛べる人間などいなかったのだから
だが撃つ、撃つ、真っ向勝負真剣勝負を裏切ることはしない、だから丁寧に撃ち抜く
「行くぞ!!」
≪来い!!≫
――それは交差する瞬間
中華が鬼神の戦闘機のキャノピーを正確に狙いに行って
鬼神は中華のキャノピー狙いの一撃を紙一重で回避し、機体を一瞬で下向きにさせ
ノズルを上向きにし、一気にペダルを踏み込む
するとノズルから一気に火が噴出し、一瞬だが中華を焼いた
「は、ははははは、それを武器とするか!」
≪一騎打ちというんだこういうのもありだろ?≫
呵呵大笑をしながら中華はそのまま地上に落ちていく
それを旋回しながら見送る鬼神。
彼ならば宝具を使い地上に激突せず無事に降りられるだろう
そう分かっているから鬼神は見送る
「ははは…参った、完敗だ!追い付ける者無しなどと驕っていた俺の目を覚まさせてくれて礼を言うぞ鬼神殿!!」
≪なに陸戦ならばアンタの方が強いさ、俺の方からも礼を英霊と戦う機会なんて滅多にないからな≫
最後に空にて互いを褒め称え合いの言葉を交わして、彼らの模擬戦は終わった
そしてその轟音の戦闘機を追うのは生身の人間、だが唯の人間ではない英霊だ、男は英霊だ
そして戦闘機に乗っている男もまた英霊なのだ、どうしてこうなったのかは数時間前にさかのぼる――
――中華は目の前の話し合いを見ていた、話し合いの内容は特訓をしようというものである
その話を聞き自分も参加したいと思ったが、しかしその中には入りづらい雰囲気であった
今回特訓と言い出した狂犬その狂犬と親しい盛衰、合流してきた妖姫
妖姫とは少しばかりごたごたし狂犬と盛衰の中に入るのも気まずい
そんな風に考えて、嘆息を吐きこの場から去ろうとすると
「なんだ、お前さんもやりたいのか特訓?」
鬼神が話しかけてきた。特訓の話は鬼神にも聞こえていたようだった
中華は鬼神を見上げて
「うむ、だがあの中に割って入るのもな」
「狂犬やあの二人なら入れてくれるだろう」
「確かに入れるやもしれんが、入ったら入ったでやりづらくなる」
難儀なものだと思いタバコを吸う、盛衰は狂犬に好意を持ち妖姫は彼女の性格上うまくやれるだろう
狂犬もまた然り、その豪気さは気まずさなど感じずにやれるだろう
だが中華にはそれが出来なかった、と言うよりあの仲良し三人の中には誰だって入り辛いだろう。
数分過ぎてタバコを吸い終わり携帯式灰皿にタバコを入れて中華に向き直ると鬼神は言った
「では、俺とでもやるか?」
その鬼神の言葉を受け中華は鬼神を見た
偶然だが見たことがある、彼が乗っているおそらく宝具であろう鉄のカラクリ
あの大きなカラクリは大層早かった、空においては自分以上の早さだと思わせるほどに
そしてその本人が特訓を申し出てきた、ならば賭ってどちらが早いか決めるのも悪くはない。
「――なら頼むぞ空を自由に飛ぶ相手にどこまでできるか試したい」
獰猛な獣のような笑みを鬼神に向ける。
やれやれと言うように鬼神は頭を振って
「――良かろう、では始めるぞ、行くぞ相棒!『鬼神の鷲(F-15 イーグル)』!」
そして地上にて鬼神の姿は消え、それと同時に轟音と共に鬼神が騎乗した戦闘機が現れた
それはまさしく空の王者は自分だと示す様に舞った
空で舞う戦闘機を見て中華は実に楽しそうに笑みを深め
「はっはぁ!空を自由に飛ぶ絡繰りと速度比べとは心が躍るな、俺に追い付ける者無し千里疾走・赤兎之如く!!」
彼は宝具を発動して、ジャンプし空を蹴ることにより、思いっきり空に飛び出した
その様を見て、滅茶苦茶だなと思う、ただ蹴るだけで空を移動できると言うとんでもだ
ああ、だが――
≪――それでも空では負けたくはないな、だから行こうぜ相棒≫
戦闘機に語りかける、生前世話になったもう一人の相棒
自分に欠かせぬもう一人の相棒に
≪――現代の力魅せてやるぞ!≫
ブーストペダルを一気に踏む、それと同時に戦闘機が加速する
それを見据える中華はさらに蹴る力を強めていく
ああ、早いと空では勝てぬとそう思えるほどアレは早かった
地上ならばまず勝てるだろう、だがそれは鬼神にとってはハンデだ
では空では、鬼神の方が上だろう、目の前の光景を見れば明らかだ、だが
「――たとえ得手ではなくとも勝ちに行くのが俺という存在よ!!」
さらに強く強く空を蹴っていく、足が痛む――だからどうした、骨が軋む――だからどうした
足が腰が骨が悲鳴を上げる――だからどうした!、あの時あの場所での悲しみ比べれば
この程度の痛みなど、痛みになど入らぬ!
「行くぞ鬼神!ここで貴様を超えていく!!」
足を強く踏み込み、一気に加速する
その加速は一瞬ではあるが、鬼神の戦闘機を追い越した
≪――まったく、とんでもないなだが!≫
鬼神もまたペダルをさらに限界にまで踏み込む、そして一気に加速する
だがこれでは足りない、まだ足りない、だから
――風に乗った
加速して、それでも無理をせず逆らわず、風を感じて――それに乗る
ただそれだけ、唯それだけだが加速し――中華を追い抜いた
「ぬぅ!」
≪悪いな、空に関してはアンタより上なんだ≫
「応!、確かに、だがこれで諦めたわけではない!」
そう言って再び強く蹴り込もうとし――魔力が切れたのを感じた
使いすぎか!、と、空においては常に宝具を使わざる得ないゆえにこうなるのは必然
「ええい、空を自由に駆け回れる奴と、跳んでいる俺では不利か!」
そう呻き、だが諦めず先に行こうとして
鬼神がさらに加速して、自分が追いつけぬほどの場所に行った
≪――どうやらこの勝負俺の勝ちの様だな≫
鬼神の戦闘機が余裕を持って旋回する
まるで自らの勝利を勝ち誇るように
ああ、口押しや、あの時自らの不利を気付けずに負けた自分の不手際に
だが、だが
≪元々俺の本領は空さ、そんな奴が空で負けたら形無しだろ?≫
――だ が !
「確かに空が戦場の鬼神殿相手には速度では負けるか…しかし、正面からならば速度差は関係ない、貫く!!」
これは意地だ、負け犬の意地、負けたくないというくだらない意地
彼ならば、この程度意地を往なす事など容易いだろう、だが彼は真正面から向かってきた
≪――向かってくるか、面白いならば受けてたとう!≫
感謝いたすと心から思い、最後の力を振り絞り空を蹴る
狙いは真正面、おそらく彼が騎乗をしているだろう所を貫く
そして鬼神は冷静に相手に狙いを定める
空で人を撃ったことはない、それは当然だ彼が生きていた時代に生身で飛べる人間などいなかったのだから
だが撃つ、撃つ、真っ向勝負真剣勝負を裏切ることはしない、だから丁寧に撃ち抜く
「行くぞ!!」
≪来い!!≫
――それは交差する瞬間
中華が鬼神の戦闘機のキャノピーを正確に狙いに行って
鬼神は中華のキャノピー狙いの一撃を紙一重で回避し、機体を一瞬で下向きにさせ
ノズルを上向きにし、一気にペダルを踏み込む
するとノズルから一気に火が噴出し、一瞬だが中華を焼いた
「は、ははははは、それを武器とするか!」
≪一騎打ちというんだこういうのもありだろ?≫
呵呵大笑をしながら中華はそのまま地上に落ちていく
それを旋回しながら見送る鬼神。
彼ならば宝具を使い地上に激突せず無事に降りられるだろう
そう分かっているから鬼神は見送る
「ははは…参った、完敗だ!追い付ける者無しなどと驕っていた俺の目を覚まさせてくれて礼を言うぞ鬼神殿!!」
≪なに陸戦ならばアンタの方が強いさ、俺の方からも礼を英霊と戦う機会なんて滅多にないからな≫
最後に空にて互いを褒め称え合いの言葉を交わして、彼らの模擬戦は終わった
このページへのコメント
自分も模擬戦のシーンかきたいけど戦闘シーンがむずいよ…
面白かったです!(血涙
かっこいい……男の世界って感じがしますね…………。
あの時の模擬戦の事を書いてくれてありがとうございます、いや〜あの時は模擬戦が本格的に流行る前なのでルールとか適当でしたねw
今は3回勝負とかメジャーですが機会があったらまたお願いします!