どれだけの時間が経っただろうか。

よくわからないサングラスをかけた男に、

「君、実に素晴らしい尻をしているね!グレイト。しかし、君には自分の尻に対する誇りが足りない!自分という存在の自覚が足りない!」

とかなんか頭おかしいことをまくし立てられ、

「ならば君が自信を持てるようにこの座標にレイシフトするといい!さぁ!」

という言葉に従いレイシフトして、その場所にあった遺跡に挑んだところまでは覚えている。

「はは、まさかこんなことになるなんて・・・。」

遺跡の探索事態は順調に進んだ。
仮にも暗兵であるし、私の力があれば何の問題もないはずだった。
その油断のせいで今の事態になっているのだから笑えない。

「侵入者を閉じ込め、魔力を奪うための遺跡だったわけだ。」

だとしたらあのグラサンほんとに何者だよ、というどうでもいいツッコミが頭をよぎるが、今はそれどころではない。
どうやらカルデアどころかマスターとのラインも途絶えてしまってるらしい。
もっても、あと5時間。
それまでに見つけてもらえなければ、私は―――。

「こんなことなら、誰かと来ればよかったかな。せめてマスターと一緒に来ればよかったよ。そうすれば・・・。」

まずい、そう思った。この、最後であろう時にマスターのことを考えてしまった。
ダメだダメだダメだ、自分の中の感情が抑えられなくなる。

「だめだ、なんで、こんなに辛いんだ。私は何者でもないもの、何者にもなれるもの。
なのに、この気持ちは・・・!嫌だ。マスターと、みんなともう会えないなんて・・・!」

感情がとめどなく溢れ出る。そんな時あのグラサンの言葉が頭をよぎった。

「自分の存在の自覚」

マスターは私がいなくなったら悲しむだろうか。
それともそもそも気づかないだろうか。
前者ならまだ嬉しいな。後者なら、悲しいな。
いままでならこんなことは無かったのに。
「自分の存在の自覚」、私はマスターにどう思われてるのかな。



「まぁ、今となってはもう無理か」
このままここで私は消えるのだろう。

ェェェェェ

「最後なのに、マスターに聞きたいことが出来ちゃった」
そう呟く

ェェェェェェェェェェス

「マスターはさ、」

デェェェェェェェェェェェェェェェス

「私のこと、貴方はどう思ってる?」

「ロリなら大歓迎デーーーーーーース!!」

「え?」

「デース?」

「なにそれこわい」

――――――――――――――――――

その後の話、どうやら幼性もグラサンの男に「ロリが囚われてる遺跡がある」と言われ同じ特異点に到着。
遺跡を進むのがめんどくさくなり遺跡を破壊しながら進んでいたら私を見つけたらしい。
「ロリはいたけど、思い人がいるロリはあくまでも観察対象デース」
といってあとから合流した蛇と共に遺跡の中に消えていった。

「え?どうしたんだい?マスター。距離が近いって?
ふふっ、これでも割と怖かったんだ。
人肌の暖かさを感じさせてくれよ。」

そして今私は、こうしてマスターに甘えている。
そして、あの時自覚した自分の感情を、あの人に伝えようと思う。

「マスター、ひとつ聞きたいことがあるんだ。」

「君にとって私って――――――。」

その後の答えは、秘密だ。


―――――――――――――――

「いやぁいい話だった。うん。私も尽力したかいがあったというもの。
だからマスター、この重石を減らしてくれないか。
このままだとさすがの私でも潰れてしまうよ。
まて、交渉しよう!まて、無言出ていくな!マスターぁ!!」

〜完〜

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