恋とか愛とか、そういうのは生まれてこの方したこともないし、することもないだろうと思ってた。

私は天照大御神様と素戔嗚尊様の2人の間に生まれし3人の女神の末っ子。

畏れ多いと誰も手を出してきたり、声をかけてきたりはしなかったの。

まぁ、当然と言えば当然かもしれないけど。

だから、こんな風にサーヴァントとして召喚されても、そういうことは起こらないだろうって、決めつけてた。

きっかけは、アタシたち三女神が召喚されて幾日が過ぎ、やっとアタシの番になった時。

今まで神としていて、やらなかったこと、できなかったこと、それらを体験できるという喜びに、胸がバクバク鳴ってたのを、今でも覚えてる。

そして、彼との「初めての対面」。

――――最初は、「仮面をつけた変なの」くらいにしか思ってなかった。

語尾に「デース」とかつけて、スカートの中撮ったりして、「バカじゃないの」とか正直思ってた。

で、何度か話したりスキンシップとってたら、いつの間にか楽しくなってた。

上着を盗っちゃった時、涙目できたアイツを不覚にも「カワイイ」と思ってしまった。

そして、森番さんが暴走した時、アタシはお姉ちゃん面して必死に守ろうとした。

……でも無理だった。当然だよね、元々アタシたち自身戦いに向いてないし、その上無理な召喚も祟って、戦闘能力皆無なんだもん。

そんなのが「アタシが守ってあげるんだから!!」とか。……笑っちゃうわよね。

案の定無様にふっ飛ばされた挙句、立ち上がろうと頑張ってる途中で他の人たちの手で収束に向かってたわ。

その時アタシは「あんなこと言っておきながらこのザマなんて、嫌われちゃったよね…」とか思って、ついつい泣いちゃってた。

ホント、女々しいたりゃありゃしないわよね。正直その場に今のアタシがいたらぶん殴ってると思うわ、うん。

……でも、アイツは、いや『彼』はね、優しかったの。

アタシのこと優しく撫でてくれて、「よく頑張った」「スゴかった」って。……言ってくれたの。

その手の暖かさが心に沁みて染みて滲みて………気が付いたら恋に落ちてた。

誰かが言ってた、「恋はいつの間にか『堕ちて』いくもの」って。

今ならその言葉の意味が分かる、こういう感覚のこと言うんだなぁ、って。



――――――――コレがワタシの恋のスタート地点。


この先どうなっていくかなんて、だれにもわからないけど、


いつか、いつの日か、………彼にこの思い、伝えられますように。

このページへのコメント

投稿お疲れさまです!
恋愛って本当甘酸っぱくて良いですね!
いやぁ、何でこんなことになったんだろう…………

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Posted by 狂兵・森番 2016年08月15日(月) 21:06:26 返信

甘酸っぱく、良いですね。
非常に感情が掻きむしられる感じがします。
しかし、真逆幼性さんにフラグが立つとは思ってもいなかったなあ。

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Posted by 剣兵・屍鬼♂(秩序・善) ◆YZmMTpqR7U 2016年08月15日(月) 21:01:17 返信

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